まもなく2度目の「失われた30年」がはじまる…日本株の「バブル期以来の高値更新」をまったく喜べないワケ【2023上半期BEST5】
*読んどくべき
★本文から
「そのころ(筆者注:店舗の出店が順調に進み、上場を目指していた90年代ごろのこと)、知り合いの経営者に頼まれ、ある経営塾で話をした。上場を目指していることや働く環境を良くしたいこと、そのためにはもっと店を増やす必要があり、M&A(合併・買収)を考えていることなどを熱く語った。塾長から『今のままで成功間違いない』とお墨付きをもらったのは嬉(うれ)しかった。しかしM&Aについては『文化が違うものを吸収していくと大変な問題が起きる』と反対された。この経営塾が盛和塾であり、アドバイスをくれたのが稲盛和夫氏だと知ったのは少したってからだ。偉大な経営者の助言に従い、自力で店舗を増やすことにした」(日経新聞、23年4月9日)
稲盛氏自身はM&Aをしっかりやってきただけに、このアドバイスは意外なものといえる。しかし、上場前のまだまだ小さな規模の会社がM&Aすることで、経営のリソースが大きく割かれてしまうことを懸念したのだろう。
稲盛氏が創業した京セラの経営理念には「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という文言が掲げられている。人手不足の今日こそ、従業員を大切にする大事さが身に染みるという会社は多いことだろう。
*よく行く。大好きな店ですね
「東山新社長もジュリー氏の株保有も歓迎」ジャニーズ会見に批判殺到も、当事者の会・平本代表が前向きなワケ「被害者救済につながらない改革は意味がない」
★本文から
被害者ってそういうものなんだよ。当事者の会の石丸志門副代表だって、40年前のことを2023年の6月になるまで「性被害」だと認められなかった。それまでは「被害だとは思っていない」ということで自分をなだめるしかない。その気持ちは被害者じゃなきゃわからないと思う。
私が当事者の会の代表を務めているのは、まさにこの仕事は自分にしかできないと思っているから。その頃には「性加害」「性被害」という言葉もなかったけれど、1980年代からジャニーさんの性加害については書いてきたし、いろんな雑誌や媒体でこのことを取り上げてもらえるように働きかけてきた。でも、ジャニーズ事務所への忖度から、実際に記事や番組になることはほとんどなかった。「報道しましょう」と言ってくれたメディアの人も少なからずいたけれど、結局は実現せず、後ろを振り向いたらもう誰もいない……。この30年、その繰り返しだった。
★本文から
東山氏は「イメージを払拭できるほど、皆が一丸となって頑張っていくべき」と会見で話していた。もし所属タレントの中に、ジャニー喜多川氏の性加害を受けていたが、それを言い出せないまま一丸となることを求められているケースがあるなら、人権侵害に当たるのではないだろうか。そこまでしてタレントに、事務所と一体になって協力するよう求める体質こそ、ジャニーズ事務所が脱却しなければならないもののはずだ。